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対象年齢

“骨年齢”という言葉をご存知ですか?生まれてからの経過時間を表す“暦齢”とは違い、個々の骨の成熟度 を表します。同じ年齢でも骨年齢は個人差があります。それと似た使い方をする“歯年齢 (Dental Age)”という言葉があります。これもまた暦齢とは違う尺度で、歯の生え変わりの進行度に応じて定義されます。

“IIIC” [すりーしー ]

歯年齢では、第二大臼歯(12歳臼歯とも呼ばれます)が生え始めた時期をIIICと表記し、それ以降であれば、中学生であっても成人矯正として治療計画を立ててゆきます。治療開始年齢に上限はありません。

もちろん中高生の方が、40歳50歳の方より歯が動きは速く、また痛みや違和感への適応も速い反面、歯磨き不足による歯茎の炎症や虫歯のリスクも高くなり、また自己管理・・という部分では成人の方のほうが有利に働くことが多いです。受診間隔を守り、習い事や部活との優先順位をしっかりとつけて治療に専念するという姿勢は予定通りの期間で予定通りの結果への最短距離で進めていくことができます。

必要性

歯列矯正治療でできることは、上下の歯列を整え、前歯と奥歯のしっかりした噛み合わせを作ることです。
そうすることで、見た目の改善や噛み合わせの改善だけでなく、もっともメインテナンスをしやすい環境をつくることができます。残りの人生が長いほど究極の予防歯科を実感されると思います。

また、友人の歯科医からのリクエストが多いのが、アゴを動かした時の噛み合わせです。いわゆる歯ぎしりをするために上下の歯をこすりながら左右に動かす動作をする際に、横揺れに弱い奥歯で負担するのではなく、歯根が太くて長く、横揺れに強いと言われている上下の犬歯で負担する噛み合わせの様式も隠れた治療目標となります。

使用する装置、装置の種類は?

成人矯正(永久歯列での本格矯正)治療は、針金のような装置(マルチブラケット装置と言います)が歯の表か裏に装着されます。それらは取り外せません。また、アライナーと呼ばれる透明なマウスピース型(当院ではインビザラインを使用しています)も使用可能です。

歯の裏側につける装置や、アライナーは治療中の見た目に有利(目立たない)な部類と言えます。歯の表側につける装置は時代を追うごとに小さくなり、また歯の色に似たセラミック製や、目立ちにくい金属色に加工されたりしたものを選ぶことができ、ギラギラした見た目を軽減したい方の選択範囲が広がっています。

マルチブラケット装置
(表側矯正)
マルチブラケット装置
(舌側矯正・裏側矯正)
アライナー・マウスピース型矯正装置
(インビザライン)

治療のゴールは?

どんな顔立ちの方でも、どんな歯並びの方でも、歯列矯正治療のゴールは同じです。以下の6つの状態を 目指します。

  • 叢生(凸凹)がなく適正な位置で歯冠が緊密に接触していること
  • 空隙(スペース)がなく適正な高さで歯冠同士が位置していること
  • 捻転(ねじれ)がなく適正な向きで並んでいること
  • 歯根が適正な角度で骨に刺さっていること
  • 奥歯の山と谷が噛み込んでいること
  • その時上下12本の前歯が同じ曲率で並び軽く接触していること

6つの要件を満たすため、抜歯をしたり、歯を細くする処置を追加したり等、細かい治療方針をご提案することがあります。 あとは顔面に対して前歯をどれくらい下げる(出す)と良いかを話し合って方針を最終決定していきます。 虫歯や歯周病にならないためには歯を全て無くせばいいのですが、そうゆう訳にはいきませんので、最も手入れが行いやすい状態で、メインテナンスを継続することが最も良いお口の健康管理です。歯列矯正治療後は見た目や噛み合わせの改善だけでなく予防歯科でもあるのです。

リスク・デメリット

一般的なリスクやデメリットは以下の通りです。

  • 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日内に起こり、1ヶ月程度で慣れることが多いです。
  • 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長される可能性があります。
  • 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さまの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。

詳細なリスク・デメリットについては、リスク・デメリットページにてご確認ください。

症例紹介

叢生
成人矯正
舌側矯正(裏側矯正)
治療前
装置装着
治療後

上の前歯が出ていて、奥歯が内側に倒れて凸凹している、が主訴でした。神経のない歯や差し歯が多く、右上の第一小臼歯は欠損でしたので、左上と下左右の第一小臼歯合計3本の抜歯方針としました。前歯はかかりつけ医とコラボし治療中の仮歯と治療後の差し歯をセット、良好な歯列咬合に仕上がりました。要した治療期間は33か月(予定期間内)でした。

主訴 上の前歯が出ていて、奥歯が内側に倒れて凸凹している
診断名あるいは主な症状 叢生
年齢 40代
治療に用いた装置 舌側矯正装置
抜歯部位 左上と下左右の第一小臼歯合計3本の抜歯
治療期間 33か月
治療費概算 [基本治療費] ¥810,000-
[裏側ブラケット加算] ¥486,000-
リスク・副作用 治療中の痛み、治療後の後戻り、歯根吸収、歯肉退縮、歯根破折
開咬
成人矯正
表側矯正
治療前
装置装着
治療後

上下の前歯が当たっていない、が主訴でした。虫歯で左上第一大臼歯の抜歯処置直後とのことでそのスペースも有効利用したいとオーダーがありました。右上の第一小臼歯と下左右の第二小臼歯合計3本の抜歯方針としました。術後右上第二大臼歯の虫歯が見つかり治療中です。大臼歯のスペース閉鎖に時間を要し、治療期間は59か月(予定期間越え)でした。

主訴 上下の前歯が当たっていない
診断名あるいは主な症状 開咬
年齢 40代
治療に用いた装置 表側矯正装置
抜歯部位 右上の第一小臼歯と下左右の第二小臼歯合計3本の抜歯
治療期間 59か月
治療費概算 [基本治療費] ¥810,000-
[裏側ブラケット加算] ¥486,000-
リスク・副作用 治療中の痛み、治療後の後戻り、歯根吸収、歯肉退縮、歯根破折