空隙歯列(すきっぱ)とは?
虫歯や歯周病で歯を失った方もですが、歯が小さい、顎が大きいなどの原因でスペースが余り、歯と歯の間に隙間がある“すきっ歯”のことです。隙間が前歯だけの方もいらっしゃれば、奥歯にも隙間がある方もいらっしゃいます。
原因
歯の数が少ない、顎の骨が大きいなど、大きさや数のバランスが主な原因です。その他、べろを前に出す癖が強いと前歯が前に押され、結果的に歯列が大きくなって円周が伸び隙間が出てくることがあります。”はなで息、べろは上あご、くち閉じる”を励行します。
弊害
前歯にも隙間がある場合、大きく3つの弊害があります。上顎前突や下顎前突を併発している場合はその治療を付加することがあります。
見た目
人種によっては上の真ん中に隙間(正中離開)があることが多い場合もありますが、やはり気になるかたは多いです。
発音
前歯がすいていると、呼気を調整して発音する“さ行”などに影響が出てくる場合があります。
歯ぐきの圧迫
食事の際、お口の中で食べ物が歯と歯の隙間に挟まり、その上から新しい食渣が押し込まれると歯ぐきを圧迫します。
炎症が起き、停留した食渣は局所を不潔にし、痛みや腫れの悪循環を引き起こします。
治療
上顎前突や下顎前突を併発している場合は、その治療が主体となりますが、スペースの閉じ方を検討していきます。つまり、
- 単純に閉じて歯並びと噛み合わせを整えます。内容によっては抜歯方針を盛り込む場合があります。
- 空隙がある一方で、出っ歯や凸凹が強い場合はそのスペースを有効活用します。
- 空隙が多すぎる場合は、1ヶ所に集めて、入れ歯やインプラントなどの補う治療をしやすいようにかかりつけ医と連携します。
いずれの場合でも、上下の歯列の表が裏に針金のような装置がつきます。
症例紹介
上下の歯列にスペースが点在し、パーフェクトな歯列と咬み合わせを!と近医からの紹介でご来院されました。親知らず以外の歯は非抜歯の方針で治療を行い、ゴム掛けの効果が遅かった分、治療期間が延びましたが、歯ぎしりの受け方(動的咬み合わせ)も主治医のご希望に沿う治療結果となりました。要した治療期間は19か月(予定期間やや越え)でした。
主訴 | すきっ歯と咬み合わせの改善 |
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診断名あるいは主な症状 | 空隙歯列 |
年齢 | 高校生 |
治療に用いた装置 | 舌側矯正装置 |
抜歯部位 | 非抜歯 |
治療期間 | 19か月 |
治療費概算 |
[基本治療費] ¥660,000- [裏側ブラケット加算] ¥495,000- |
リスク・副作用 | 治療中の痛み、治療後の後戻り |
上下の歯列にスペースが点在し、上左右の側切歯が先天的に矮小で見た目と咬み合わせの改善が主訴でした。親知らず以外の歯は非抜歯の方針で治療を行い、ゴム掛けも真面目でしたので追加アライナーも1回ですみました。上左右側切歯の差し歯も完了し、主訴の改善を達成できました。要した治療期間は18か月(予定期間通り)でした。
主訴 | 見た目と咬み合わせの改善 |
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診断名あるいは主な症状 | 空隙歯列 |
年齢 | 20代 |
治療に用いた装置 | マウスピース型矯正装置(インビザライン) |
抜歯部位 | 非抜歯 |
治療期間 | 18か月 |
治療費概算 |
[基本治療費] ¥660,000- [インビザライン加算] ¥495,000- |
リスク・副作用 | 治療中の痛み、治療後の後戻り、差し歯の仕上がり、顎関節症 |