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上下顎前突(口ゴボ)とは?

上の顎も下の顎も頭部に対して前に出ている骨格を示します。歯は顎の骨にささっていますので、顎が前にあると上下の前歯も出ていることが多いです。鼻から下の顔面が、もこっとしている形態が特徴です。横顔が顕著ですが、正面から見ても特徴的な形態はうかがえます。
歯並びや噛み合わせに大きな問題がない場合が見受けられますが、併発していると難症例となります。

原因

骨が原因の場合、遺伝要因であることが多いです。その方のご家族ご家系代々続く顔立ちということになります。また歯に原因がある場合の原因論としては、叢生(凸凹歯列)と同じです。つまり、顎の大きさに対して歯の幅の合計が大きい場合、前に出てはないけど凸凹であるのか、凸凹ではないけど前に出ているのか?ということです。

凸凹の治療で、抜歯を避けるために無理に前後に広げて上下顎前突の症例に変わってしまってはいけませんので診断が必要です。また、お口の周りの悪い癖(指しゃぶりや爪噛み,唇噛みや口呼吸などが含まれます)が悪影響を与えていることが多いです。
大人も子供も基本的な健康のためまた治療後の噛み合わせの安定のため“はなで息、べろは上あご、くち閉じる”を励行しましょう!

弊害

上下の前歯が出ていること
(凸凹は少なく、奥歯も前歯もかんでいる場合)で、大きく2つの弊害があります。

機能障害(唇を閉じにくい、唇の乾燥や習慣的な口呼吸の惹起)

可能であれば、くちびるの力を抜けば上下の唇が当たるのが理想的です。

審美障害(特に、横顔で口元がもっこりしている。無理に唇を閉じると下あごにシワができるなど。)

笑うと上の前歯が見えます。笑顔を真横から見たときに前歯と顔のバランスが審美的に悪くなります。当院では、自然頭位(ある程度背筋を伸ばして正面をみる姿勢)で、上の前歯が顔面に対して地面に垂直に刺さった位置を目指した治療方針を立てます。

治療

上下の前歯やあごがどの程度出ているかによりますが、上下左右の小臼歯の抜歯方針を選ぶことが多いです。当院では、外科的手法を併用した治療はしておりませんので、その場合は、口腔外科をご紹介する流れになります。上下の前歯が出ている、口が閉じにくいなどの主訴があれば抜歯方針1択となります。

難症例になると、抜歯の本数を増すことも提案していますが、精密検査をした上で診断をし、本数と部位に関しては、以下の診断基準を参考にしてカウンセリングを重ね治療計画を立案します。

奥歯の噛み合わせの状態

上の前歯が出ている方は、奥歯の関係も「ここで噛んでほしい」ところより、上の奥歯が下に対して前で噛んでいます。
この状態が強いと難しい治療となります。

前歯が出ている程度

つまり、前歯を下げたい距離が長くなり、前歯が出ているほど難しい治療となります。

凸凹の具合

凸凹が強いと歯を抜いてできた隙間が前歯をさげること以外に消費され、より難しい治療となります。逆に、歯と歯の間に隙間が多い空隙歯列の場合、歯を抜く可能性が下がるということになります。稀に、歯を抜かない方針を選ぶ場合がありますが、前歯をさげる必要量が少ないことが特徴となります。この場合は、他の症状の併発が少ないことが多いです。抜かずに前歯をさげるスペースを確保するために、上の奥歯を後ろに動かし、結果的には歯列全体を下げる方針を立てる場合は、その動きを邪魔する親知らずの抜歯からスタートとなります。また、エナメルスライスと言って、複数の歯を細くする処置を行うことでスペースの確保を行う方針を選択する場合もあります。また、すでに歯を抜いて治療された方の後戻りの再治療(抜歯方針を選べない)や抜歯だけでは前歯が目的のところまで下がらない場合もこの奥歯を後ろに動かす手法を応用します。いずれの場合でも、上下の歯列の表が裏に針金のような装置がつきます。

症例紹介

上下顎前突
成人矯正
表側矯正
治療前
装置装着
治療後

上下の前歯が出ている、が主訴でした。口唇閉鎖障害も認められました。上下左右の第一小臼歯合計4本抜歯方針でスタートしました。治療中の歯みがきやゴム掛けなどお願いしたことは指示通り励行されましたが年齢の割には歯の動きが遅い印象でした。計算された前歯の位置に仕上がりました。要した治療期間は42か月(予定期間越え)でした。

主訴 上下の前歯が出ている
診断名あるいは主な症状 上下顎前突
年齢 高校生
治療に用いた装置 表側矯正装置
抜歯部位 上下左右の第一小臼歯合計4本抜歯
治療期間 42か月
治療費概算 [基本治療費] ¥825,000-
リスク・副作用 治療中の痛み、治療後の後戻り、歯根吸収、歯肉退縮、顎関節症
上下顎前突
成人矯正
舌側矯正(裏側矯正)
治療前
装置装着
治療後

凹んでいるところと口が閉じにくい、が主訴でした。上下左右の第一小臼歯合計4本抜歯方針でスタートしました。治療中の歯みがきやゴム掛けなどお願いしたことは指示通り励行されました。計算された前歯の位置に仕上がりました。要した治療回数は30回(予定より少ない回数)でした。

主訴 凹んでいるところと口が閉じにくい
診断名あるいは主な症状 上下顎前突
年齢 30代
治療に用いた装置 舌側矯正装置
抜歯部位 上下左右の第一小臼歯合計4本
治療期間 30か月
治療費概算 [基本治療費] ¥825,000-
[裏側ブラケット加算] ¥495,000-
リスク・副作用 治療中の痛み、治療後の後戻り、歯根吸収、歯肉退縮、顎関節症