表側矯正(ラビアル矯正)とは?
ラビアルとは唇側という意味です。つまり、歯列矯正治療用の金具を歯のくちびる側(表側)につけて歯を動かす治療方法を指します。歯を動かす力を発揮するワイヤーを結びつけることができるブラケットというボタンのようなものを直接患者さまの歯に接着して用います。従来型とも言われ、各メーカー複数の商品を取り扱っています。
1番の欠点は目立つことです。当院では、できる限り小さく作られたものや、目立たない色、歯に似た色のものなどを取り揃えています。
メリット、デメリット
メリット
- スタンダードなブラケットを選択すると、治療費が最も抑えられる
- 審美色を選択することができる
- 衛生管理を目視で行うことができる
- 広く普及しているので転院先の医院が見つかりやすい
- 取り外せない装置なので治療が予知的にできる
デメリット
- 目立つ(金属色)
- ラグビー・柔道・バスケットボールなどコンタクトスポーツや、トランペットやクラリネットなどの管楽器演奏に不利
- 取り外せないので食べかすが詰まりやすく衛生管理に時間がかかる
- 唇の裏側やほっぺたの内側に口内炎ができることがある
- パ行など唇をつかう発音に慣れるまで時間が必要
症例紹介
上下の前歯が出ている、が主訴でした。口唇閉鎖障害も認められました。上下左右の第一小臼歯合計4本抜歯方針でスタートしました。治療中の歯みがきやゴム掛けなどお願いしたことは指示通り励行されましたが年齢の割には歯の動きが遅い印象でした。計算された前歯の位置に仕上がりました。要した治療期間は42か月(予定期間越え)でした。
主訴 | 上下の前歯が出ている |
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診断名あるいは主な症状 | 上下顎前突 |
年齢 | 高校生 |
治療に用いた装置 | 表側矯正装置 |
抜歯部位 | 上下左右の第一小臼歯合計4本抜歯 |
治療期間 | 42か月 |
治療費概算 | [基本治療費] ¥825,000- |
リスク・副作用 | 治療中の痛み、治療後の後戻り、歯根吸収、歯肉退縮、顎関節症 |
上下の歯列に中程度以上の凸凹(主訴)があり、下あごの開閉時に滑走運動を認めない症状がありました。上下左右の第一小臼歯を合計4本抜歯する方針を選択し治療を開始しました。顎関節の症状は著変なく進みましたが、右下中切歯の歯肉ラインは戻らず、負担減のため前歯部の咬合は深追いしませんでした。要した治療期間は39か月(予定期間通り)でした。
主訴 | でこぼこ |
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診断名あるいは主な症状 | 叢生 |
年齢 | 40代 |
治療に用いた装置 | 表側矯正装置 |
抜歯部位 | 上下左右の第一小臼歯を合計4本抜歯 |
治療期間 | 39か月 |
治療費概算 |
[基本治療費] ¥660,000- [審美ブラケット加算] ¥132,000- |
リスク・副作用 | 治療中の痛み、治療後の後戻り、歯肉退縮・歯根吸収 |
奥歯しか当たっていない開咬が主訴でした。上の前歯の位置の改善のために上左右の第一小臼歯を合計2本抜歯する方針を選択し、また顎関節も不安定でしたので、治療中は症状が出ても対処するお話を事前に行いました。また、開咬の原因の一つにベロの癖があり治療期間を通して念仏にように指導しました。要した治療期間は17か月(予定通り)でした。
主訴 | 奥歯しか当たっていない |
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診断名あるいは主な症状 | 開咬 |
年齢 | 高校生 |
治療に用いた装置 | 表側矯正装置 |
抜歯部位 | 左右の第一小臼歯を合計2本抜歯 |
治療期間 | 17か月 |
治療費概算 | [基本治療費] ¥825,000- |
リスク・副作用 | 治療中の痛み、治療後の後戻り、歯根吸収、歯肉退縮、顎関節症 |