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小児矯正とは

乳歯と永久歯が混在している状態(混合歯列期)に行う矯正治療が小児矯正です。年齢ではなく、歯の生え変わりの状態で小児矯正の対象かどうかが決まります。例えば、小学6年生でも歯列がすべて永久歯であれば、小児矯正ではなく成人矯正の対象となります。逆に、中学生であっても乳歯が残っていて、その後に生えてくる永久歯が顎の中に待機している状態(病的な埋伏や先天欠如を除く)であれば小児矯正の対象となります。

小児矯正の目的

小児矯正の目的は土台作りです。顎の成長をコントロールしたり、正常咬合を阻害する要因を除去したりします。治療としての完成度は低いものとなります。一方、成人矯正は、1つ1つの歯を動かして、きれいな歯列を作る完成度の高い治療となります。

ご家庭の方針により、歯ならびやかみ合わせは、”ほどほどで良い”とお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、当院では、”ほどほど”の治療ではなく、成人矯正を前提とした95点から100点をめざす治療(すなわち再治療を前提としない一生に一度の治療です)をおこないます。そのために専門的な検査設備や精密な治療ができる器具をとり揃えています。

成人矯正への移行を前提とした小児矯正を行っています。

小児矯正の限界

「早いうちに治療(小児矯正)をはじめ、のちのち歯列矯正治療(成人矯正)をしなくてすむようにしたい」という希望をお持ちの保護者さまが多くいらっしゃいます。しかし、この考え方は、あまりお勧めできません。

混合歯列期に小児矯正を終えた後、歯の生え変わりがすすみ、またアゴの成長が続く中で、中学生になってあらためて成人矯正が必要となるケースも少なくありません。小児矯正で一度整えられた歯並びが、成長により崩れてしまうことがあるからです。

小児矯正は、準備矯正とも呼ばれています。成人矯正の準備のために行う治療だからです。

中学生に(歯の生え変わりが終わり奥歯の管理や治療もできるように)なって、歯ならびとかみ合わせの治療(成人矯正)を受けるために、小学生のうちに行う治療はできるだけ省略しようというのが当院の方針です。

当院の小児矯正

小児矯正治療の必要性は、”永久歯列が完成していない時期になんらかの主訴があり、治療介入することで、永久歯列期における審美問題と機能障害を回避できること”としています。

小児矯正を検討されている保護者さまの主訴は大きく3つです。

  • 前歯の歯ならび
  • 前歯の噛み合わせ
  • 不安(早期治療の必要性)

これらに対して当院で介入する症状は、

  • 前歯が逆に噛んでいて、細くて弱い下の前歯の歯茎が炎症を起こし、退縮もしくは退縮傾向がある場合(咬合性外傷)
  • 左右の奥歯の距離(歯列弓幅径)が上より下の方が広く(幅の不調和)、顎を右もしくは左にずらして 噛んでいる場合
  • 著しく前歯の歯列が乱れ本人に審美的主訴がある場合

の3つです。

つまり、前歯の審美障害に関してはこの時期に介入することは少なく、お口の周りの癖や悪い習慣に対して指導や管理を前提とした(治療ではなく)経過観察となる場合が多いです。

生え変わりの途中で介入することで、将来の凸凹を予防することは難しいです。たしかに、見えている前歯の改善は可能ですが、これから成長する顎の骨と、顎の中にある時から大きさが決まっている歯のバランスを予測することは難しく、前歯の歯ならびを改善するために奥歯のスペースを前借りすることは原因の改善にならないため、慌てて治療介入しない理由の一つです。

小児矯正の費用

小児矯正の費用は8~35万円となり、介入する症状によって費用が異なります。
また、小児矯正から成人矯正に移行する方は平均75万円の費用が必要となってきます。